わたしね、輪廻転生とかよくわかんないんですけど、 多分命っていくらでもあったら無駄に使っちゃう人とかいると思うんですよ。 だから誰かが終わりをつくっちゃったんだと思います。 でもあなたはそれを崩しちゃったんですよね。 だって現にあなたは今、違う顔、容でわたしの目の前にいる。 それってずるいと思いませんか。 ねぇ、骸さん。(もしかしたらそうじゃないだれか?)




「そんなこと言われましてもねぇ。僕には野望がありますから」
「マフィアの殲滅でしょう?」
「えぇそうです」
「よくわからないし、わかりたくもないけど、  こんなのあんまりです」
「なぜです?」
「だってわたしが大好きなナッポーの骸さんがこんな特徴のない一般的な少年になっちゃって」
が好きだったのは僕の髪型だけですか。というよりナッポーじゃないです」
「そんなことないです、ここに居ない貴方は私のどこを見てきたんですか」




彼女は思い切り泣きだした、 貯まったものを全部吐き出していくように。 夕方の河川敷には彼女の声と遠くから部活に励むどこかの中学生の声と、 ともかく色々な音が混じってたが、 "少年"の耳に入るのは止むことのない彼女の泣き声だけだった。




「泣かないで下さい。無様ですよ、こんな小さな男の子に泣かされた女子中学生なんて、」
「無様、で結構、です。貴方にわかってもらえないくらいなら、」
「わかってない、なんて言ってないですよ?君は本当にバカだ」
「バカで結構、です。ほら、もうアメあげる、から帰ってください、ぼうや」
「見た目はこんなのですが子供じゃないんですから」
「だってこんなナッポーじゃなくて、わたしをわかってくれない人なんて、」

骸さんじゃない、といって彼女はまたぐずりだす。
"少年"は先ほど彼女がしたように、アメを差し出す。




「アメ、あげますから。泣き止んでください」
「や、です、アメ、なんかいらないから、骸さ、」




唇をきゅう、と噛み締めて嗚咽を止めきれていない彼女の姿は今までみたことのないものだった。 僕はびっくりして、同時にこんなにも彼女に愛されていたのかと温かいものに包まれた(気がした)。




「ねぇ、、」







僕はここにいますよ?