六道くんは変態だ。何がどこがって全体的に。オーラとかじゃなくてさ、なんていうか。もう全体的に手遅れ。「失礼ですよ、」なんて声聞こえない。本当だもの。本当、変態すぎて私が心配になるくらい変態。でも六道くんは女の子に人気がある。だって普通にしてれば美形だもの。普通にしてれば多分あの、美形集団のバックダンサーしてても不思議じゃないと思うの。あ、でも頭ナッポーだもんね。残念だけどナッポーは雇ってないと思うよ。「ナッポーじゃありません。」聞こえない聞こえない。あ、それじゃあいっそビジュアル系いっちゃったらいいんだ!!ちょうど目とかカラコンいれなくてもオッドアイだし。ナッポーみたいな頭の人いっぱい居る気がするし。ぎゃうあうとか言ってそうだし。うん、大丈夫。全然大丈夫だよ。多分ビジュアル系ならMCのときくふふって笑っても、大して不思議に思われないと思うんだ!よし、じゃあ決まり!ビジュアル系目指して頑張れ六道くん!




「ねぇ。最初からだいぶ話変わってますよ」
「変わってませんよ、言いたいことはかわってないですから」
「にしてもなんで僕にだけ敬語なんです?もっと腹を割って話しましょうよ」
「じゃあどうぞ」
「なんでカッターなんて出すんですか」
「腹割ってでしょ?どうぞ腹割ってください。私は嫌です」
「いや意味がちが「さて私は何て言いたかったんでしょう?」
「全く君は自分勝手だ」
「違います。全然違います。そして私は自分勝手じゃないです」
「人の話をきかないのは自分勝手じゃないんですか」
「相手が人じゃないので全然自分勝手じゃないです」
「(人として見られてない…)」
「ぶー、じかんぎれ!」




答えは「変態は近寄らないでください!」でしたー。ちょっと明るく言ってみたんだけど、人として見られてないのがショックだったのか、
それとも答えが辛辣すぎたのか、もうへこみすぎて熟れすぎてちょっと腐りかけっぽいナッポーみたいな六道くん。ごめんね、でも君はこれくらい言わないとわからないだろうから。うん。私は自分の中で自己解決して、帰る準備を進める。




「あ、、帰るんですか?」
「帰るけど一人で帰ります」
「まだ何も言ってませんよ」
「犯罪は未然に防止すべきだと思うんです」
「さっきから扱いひどくないですか」
「気のせいですよ。あ、犬ちゃん、千種ばいばーい」
「一人忘れてません?」
「気のせいじゃありませんか?」
「いや、君受け答えして「では早く警察に自首なさることを心待ちにしております」




私はにやけそうになる顔を抑えて教室を出る。あぁ今日も楽しかった。









駆け引きもわからなくて