「好きだ」とかはっきり言い合ううちはまだ青いよね、




なんて窓の外を見ながらが言うもんだから、 俺はそんなもんかなって相槌打つくらいしかできなかった。 いや、なんとなく。




「こう、こんなに人を好きになっていいんだろうかって罪悪感に似た感情も時には必要だと思うわけ。」
「はぁ」
「率直に好きだって言われるのは確かに嬉しい。でも、それじゃだんだん疑わしくなってくるじゃない?」
「まぁねぇ」
「あ、今の相槌、めんどいから適当にしたでしょ」
「さぁ」




俺はいつの間にかまっすぐ俺のほうを見ているの瞳から逃げるように、彼女が見ていた窓の外を見た。 グランドではサッカー部と野球部がグランドを半分にわけて練習している。 そういえば、「サッカーと野球、どちらが好きですか?」なんて質問よくあるけど、 手を使うものと足を使うものだとまったく系統が違うから比べるのはおかしいよな、とか思う。 サッカーと比べるべきはフットサルで、野球と比べるべきはソフトボールだろう。 まぁ似たもの同士を比べても、とは思うけどね。




あ、陸上部がカーブんとこでこけた。誰だかしらなけどドンマイ。




「ちょっとへーすけ!!」
「はいはい聞いてますよー」
「聞いてない!!」
「だって結局愛してるとか好きとかそういうことはどう考えて、どう言っても薄っぺらいんだよ」




行動でしめさなきゃ、とか言ってふくれっ面にキスしたら夕陽でなのかその所為なのかよくわからないけど、 赤い顔がこっちを向いてたから、なんとなく気恥ずかしくなって照れ隠しのために「さっさと帰ろ」とか言ってみた。