私は世に言う「不登校」だ。行かない理由なんてない。ただなんとなく。群れないと行動できない人間も嫌いだし、あんな狭い部屋に40人近くが収容されて、50分ずっと小さい自分の場所に拘束されるなんて耐えれない。(あ、これって不登校の理由か) 何回か学級代表さんが私の説得に来たけど、生憎私は一人暮らし。親が居れば出てきなさい!とか言われるんだろうが、そんなこともなく易々と居留守が通用する。来てくれたのに申し訳ないっていう気持ちはあるけど、正直どうでもいい。





「ねぇ、さっさとあけてよー。俺さみぃんだってー」
「あぁもう、チェーンつけるんじゃなかった!」





ドアノブが何回もがちゃがちゃ鳴る。うるさいうるさいうるさい。今あけてるんだってば。悴む手を必死に動かして、普段つけないチェーンをつけたことを後悔しながら、チェーンをはずして、鍵を開ける。閻魔は「あーさぶかった。」とか言いながらそそくさとリビングのストーブの前を陣取った。





「もう。こたつだってついてるのに」
「だって、いっつも弱にしてるから温かくないんだもん」
「そんなことないよ。」
は外の寒さを知らないからそんなこといえるんだよ!学校こいよ!」
「いや」





私はブーイングを軽くスルーして寒い寒いと連呼するやつのためにココアをいれてやる。コーヒーは苦い!とこの間けちをつけられたからココアだ。なんていうか、なんで家政婦でもないのにこんなにこいつに尽くしてるんだろう。




「わーい」
「ほんっと子どもだよね」
が大人なの」
「絶対違う」
「うえー。でも甘い、甘すぎる」
「お前わがまますぎるって言われたことない?」




思い当たるところがあるのか、そんなことないから!と必死に弁解している閻魔にため息をついて、あんまりわがまま言うと友達なくすよ、と一言。私には友達という友達はあんまり居ないので、友達をなくす感覚はよくわからないけど、辛い気がする。





「んでもは俺の友達っしょ?」
「まぁね」
「もしかして友達以上恋人未満?」
「頬を赤らめるな、気持ち悪い。むしろ知り合い以上友達未満だろ」
「うわー辛辣。あーあ素敵な恋がしたい」




いつの間にかコタツに侵入してきた閻魔は天井を仰いでそういった。ここにきて1回は絶対言うお決まりの言葉だ。私は頑張れ、としか言わない。これもお決まり。これでいいのだと思う。ていうか私はこれでいいのだ。(これ以上は恥ずかしすぎる)





「ねぇ、、」





いつもと違う現象が起きると人は本当にびっくりするものだ。私の肩はとてもゆれた。閻魔の瞳はまっすぐ私の方をみていると言うのに、私の目はせわしなく宙を泳いだ。なんでそんなに真剣な顔をしてるの?


















俺と素敵な
してみませんか?




(突然始まるもの)