「ねーえ、これどうやって倒すの?」 「攻略本見なさいよ」 「だって意味不明だよ、この攻略本」 「あんたの理解力がないだけでしょ」 「ひどーい」 ぶーぶーとか幼稚なブーイングする閻魔をよそに、私はDSでマリカーを進める。あぁもう、閻魔のせいで2位になったと呟くと「俺のせいじゃないしーが教えてくれないのが悪いー」とか相変わらず子どもみたいなしゃべり方で返してくる。 「ていうかさ!普通デートで彼女の家来てゲームする?!」 「楽しくないなら帰ればー。ばいばーい」 「いや、楽しいけど!楽しいんだけど!ゲームは俺んちでもできるしさ、もっとほかの事…」 「例えばなに」 「がこのセーラー服き「却下」 「そればっか」って呆れて却下の声と一緒に出した拳を引っ込める。いてて、とか手加減ないんだから、とか聞こえるけど知らない。 あぁそうこうしてるうちに次は3位になってしまった。まぁ4つのコースのうち2つ1位取ってるからこれが3位でも…って挽回難しくなるか。ちら、と彼のほうを見ると彼は少し赤みを帯びた頬をさすりながら、ちょっと拗ねた様子で攻略本を見る。 そういうときはポーズ画面にしないと見つかった敵にやられるって前から言ってるのに。ほんっとバカ。 「もーわからん!!わからんわからんわからん!!意味わかんない!、それやめてこっちやってよー。 マリカーのデータなんかまたすぐ作れるだろ?こっちなんか次のセーブ地点までいかないと全部パァだよ?パァ。」 「あ、ほら、対戦画面なってる」 わーわー喚く閻魔を無視して、TV画面を指差す。閻魔はげっ、こいつ無理とか言って私にコントローラーを渡す。 私は受け取らない。今マリカーやばいんだって、あと一コースだから頑張って持ちこたえて!とか棒読みで言いながら。閻魔は癇癪を起こして、結局ゲームの電源を切ってしまった。(あーあセーブもったいない。) 「!」 「なによ」 「俺楽しくない!」 「知らないよ。だから楽しくないんなら帰れば、」 そう言って見上げた彼の目には思いっきり涙が溜まっていて。あぁなんか地雷踏んでしまったな。 「そうじゃなくて!!俺はもっといちゃいちゃしたいわけ。わかる?仮にがセーラー服着てくれなくても… いや着てくれた方が好きだけど、着てくれなくても好きだし!!ていうかさ、愛してるとか好きだとか好きなとこ言うのも いっつも俺だけじゃん?!あんまこういうこと言いたくないんだけど、ってほんとに俺のこと愛してる?」 矢継ぎ早にそう言うと、普段こんなに言わないせいか閻魔はむせた。私は少しだけ考えて、一回しか言わないから。と前置きをした。 「それじゃあ私が自分からいちゃいちゃしたい、って言うと思う?愛してるとか好きとか言うと思う? 確かに私は閻魔のこと愛してるし好きだよ。でも、そんなの言わなくてもいいじゃん。好きだから付き合ってんの。 愛してるからこうやって一緒にいるの。私は閻魔が言うこと全部を全部、かなえてあげれないよ。幸せにできるかなんて全然わかんない。 でも私は閻魔と居て幸せだよ、」 それだけじゃだめですか? (…ねぇもう一回言って!!) (絶対いや) |